スペイン語は総武線で

イギリスからスペインへ時々行くようになったころ、目的はただひとつ、美味しい物が食べたい!


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まずは食べ物の名前から

というわけで食べ物の名前はまったく苦労することなく覚えていきましたが、動詞は活用表を見ただけで断念。レストランやバルでは動詞がなくても食べたいに決まっているので、メニューが読めればOK。何の料理かわからないときは carne(肉)?などと聞いてさぐっていきました。バルのカウンターにはショーケースがあって実際のおつまみが並んでいますから、指差せばOK。”Por favor.”「お願いします。」と “Gracias.”「ありがとう。」と笑顔を混ぜればいつでも美味しい物にありつけます。

英語から紡ぎだすスペイン語

スペインで過ごす時間が長くなると少しずつ耳が慣れてきて、英語からスペイン語を紡ぎだす法則が見えてきました。

英語は語頭近くにアクセントを置く傾向があり、一方スペイン語は語尾近くにアクセントを置く傾向にあるようです。関連して英語なら語頭に子音を重ねて発音するところに、スペイン語は語頭に”e”を付けないと落ち着かないらしい。「駅」は英語で “station” だからスペイン語では “estación”。英語の “-tion” はスペイン語では “ción” となるらしい。”School” は “escuela”、語尾は “-a” か “-o” が多い、などなどスペイン語半分くらいは英語を手がかりにそれっぽく発音すると通じてしまいました。

が、これが後に大きな問題となって後からツケを払うことになります。

初めてのスペイン語学校

日本に戻って少したった頃スペイン語関連の仕事もするようになり、英語訛のスペイン語では遣って行けなくなり、2000年から年に1〜2ヶ月スペイン語学校へいくことにしました。スペインがユーロに通過を変更する前のペセタの時代で、航空券さえなんとかできれば滞在は日本国内で旅行するより遥かに安く、さらに語学学校の宿泊施設はホテルよりずっと安く快適でした。

名詞を中心に英語の力を借りてある程度の語彙数があったので、レベル分けで中級に入ってしまいました。そこで困ったのが避け続けてきた動詞の活用に立ち向かわなければならないこと。現在形だけでも持て余していたのに、クラスメートは過去形を操る人たちだったのです。

それでも一ヶ月を楽しく過ごして戻った後は、一年発起動詞の活用を覚えることにしました。当時は千葉県に住んでいて仕事は中央線沿線。総武線と中央線の快速を使わず、総武線の各駅停車を使うと確実に片道45分は座れたので、往復で合計90分を文法の勉強にあてることにしました。初歩の初歩一番最初から出来るだけ丁寧に文法の勉強を始めました。

何とかスペイン語で仕事をするようになってから、よく、どこでスペイン語を覚えたのですか?と聞かれましたが、「電車で」と答えています。

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